有機フッ素化合物対策で水道料金が値上げになる!?

沖縄県議会で2023年12月11日、来年10月から水道料金を値上げする条例案が議論されました。

値上げの理由としては、人体への有害性が指摘されている有機フッ素化合物(PFOA・PFOS)の対策費が含まれると説明しています。

参考:Yahoo!ニュースより

PFOSなどの対策費 5億1000万円を賄う予定

厚生労働省は2020年4月、有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)を「水質管理目標設定項目(水質管理上留意すべき項目)」に位置づけ、暫定目標値をPFOSとPFOAの合計で50ng/L以下としました。

さらに、2023年11月、有機フッ素化合物の人体への危険性について、世界保健機関(WHO)の専門組織である国際がん研究機関(IARC)は、PFASの一種であるPFOAの発がん性を「可能性がある」から2段階引き上げ「ある」に認定したと発表しました。

また、PFOSは、新たに「可能性がある」の分類に追加しました。

PFOS・PFOAが高濃度で検出された沖縄の北谷浄水場では、活性炭による浄水処理に年間約4億円

沖縄県では北谷浄水場の水源である比謝川や嘉手納井戸群などで、PFOS、PFOAが高濃度で検出されたため、吸着効果がある粒状活性炭などを使用した浄水処理をはじめ、北谷浄水場では年間約4億円の費用がかかっていました。

現状の水道事業では、かかった費用を給水人数で割って料金を決めるため、浄水コストの増加が料金値上げにつながることになります。

沖縄だけの問題ではない

2020年度に全国の水道事業者が給水栓水でPFOS、PFOAを測定したところ、測定地点数589地点のうちの5つで水質管理目標値(50ng/L)を超過し、粒状活性炭処理が導入されたケースもあります。

岡山県円城浄水場の活性炭入れ替え作業がほぼ完了

岡山県吉備中央町の水道水から国の暫定目標値を超える「有機フッ素化合物」が検出された問題で、復旧に向け、浄水場のろ過砂の洗浄・入れ替え作業の大半が完了したとして、水を浄化する装置に含まれる活性炭を入れ替える作業の様子が公開されました。

岡山県吉備中央町の有機フッ素化合物検出について

基準値が厳しくなるとモニタリングや浄水コストは増加

世界を見回すと、PFOS、PFOAなどの基準値は厳しくなる傾向にあります。

アメリカでは2023年3月に第1種飲料水規則案の規制値としてPFOS、PFOAそれぞれ4ng/Lが提案されました。

また、デンマークでは2021年6月にPFOA、PFOS、PFNA、PFHxSの4物質の合算の基準値として2ng/L以下が公表され、すでに2022年2月23日から適用されています。

スウェーデンは、2026年1月1日から適用される PFASの4物質(PFOA、PFOS、PFNA、PFHxS)の合算の基準値として4ng/Lが公表されました。

しかし、PFOS、PFOAなどは、人についてコレステロール値の上昇、発がん、免疫系等との関連が報告されていますが、どの程度の量が身体に入ると影響が出るかについては確定的な知見はまだありません。

そのため、モニタリングや浄水のコストが水道料金に上乗せされる可能性も十分あり得ます。

WHOが推奨する浄水方法とは

WHOは浄水方法について、「凝集沈殿ろ過、オゾン処理、消毒処理などの一般的な方法は効果的でない」とし、膜処理、活性炭吸着、イオン交換などを推奨しています。

膜処理とは、微細な孔があいた膜に通水し、水と異物を分離することですが、エネルギー使用量やコストがかかります。

一般家庭での対策

どんな対策をするのか、コストは幾らかかるのか、その負担は誰がするのか、不透明な部分が多いからこそ個人でできる対策を考えても良いかもしれません。

その対策の1つとしてセントラル浄水器ReFINEの導入をおススメします。