「水道水に農薬が入っていると聞いて不安・・・」
「浄水器の説明でCATって書いてあるけど、ネオニコチノイドとは違うの?」
こうした疑問を持つ方は少なくありません。
オニコチノイド系農薬とCATの違い、 そして JIS(日本産業規格)で決められている内容 を 解説します。
ネオニコチノイド系農薬とは?
ネオニコチノイド系農薬は、 虫を退治するための農薬(殺虫剤)です。
作物を食べる害虫に効きやすく、 農業では広く使われてきました。
■ 作用
虫の神経に作用して動けなくする
神経が興奮し続けて 麻痺 →死亡
■ 主な成分例
イミダクロプリド
クロチアニジン
チアメトキサム
アセタミプリド
■ 特徴
- 水に溶けやすい(=水環境に出やすい)
- 作物に吸収され全体に行き渡る 浸透移行性
- 害虫に効くが、ミツバチなどへの影響 が国際的に問題視
■ 主な用途
-
水稲
-
果樹
-
野菜
-
家庭園芸用殺虫剤
ネオニコチノイドについて詳しくはコチラ>>>水道水に”農薬”の時代~ネオニコチノイドは家の蛇口まで届くのか?
CAT(クロロアセトアミド)とは?
CATは、 雑草を生えにくくするための農薬(除草剤)の一種です。
虫を殺すものではなく、 雑草の芽が育たないようにする目的で使われます。
※「CAT」は日本では クロロアセトアミド系除草剤 を指す略称として使われることが多いです。
■ 作用
- 植物の 脂肪酸合成・細胞分裂 を阻害
- 発芽直後の雑草が育たなくなる
■ 主な成分例
- アラクロール
- アセトクロール
- メトラクロール
■ 特徴
- 主に 土壌処理型除草剤
- 作物よりも 雑草の芽生え に効く
- ネオニコ系のような神経毒性ではない
■ 主な用途
- 雑草対策用の農薬
- 土にまいて使われることが多い
- ネオニコチノイドとは用途がまったく違う
同じ「農薬」という言葉でも、ネオニコチノイドとCATでは 役割は大きく異なります。
比較表
| 項目 | ネオニコチノイド系 | CAT(クロロアセトアミド系) |
|---|---|---|
| 農薬の種類 | 殺虫剤 | 除草剤 |
| 対象 | 昆虫 | 雑草 |
| 作用部位 | 神経系 | 植物の生育機構 |
| 主な問題点 | 生態系(ミツバチ等) | 地下水汚染・残留 |
| 水への溶けやすさ | 高いものが多い | 比較的低〜中 |
| 人への神経毒性 | 低いとされるが議論あり | 神経毒ではない |
JISで決められているのはどっち?
家庭用浄水器の性能は、 JIS S 3201 (家庭用浄水器の性能試験方法)という基準で試験されます。
このJISでは、 農薬の代表として「CAT」を使って試験することが決められています。
JISで規定されているもの
- CAT(クロロアセトアミド)
- 正式位置づけ:農薬類の代表指標物質
- 目的:活性炭による 農薬除去性能の確認
- 試験内容:
- CATを一定濃度で通水
- 除去率・除去容量を評価
👉 JISでは「農薬=CATで代表させる」扱い
JISで規定されていないもの
- ネオニコチノイド系農薬
- イミダクロプリド
- クロチアニジン
- チアメトキサム など
👉 JIS試験項目には一切含まれていない
なぜJISではCATだけなのか?
理由は主にこの3点です。
- JIS制定当時(1990年代)
- 問題視されていた農薬がCAT系だった
- 分析・再現性が高い
- 試験物質として扱いやすい
- 活性炭性能の指標にしやすい
- 「取れやすい/取れにくい」の中間的存在
👉 つまり、CATは農薬除去性能を見るための目安の物質です。
よくある誤解
誤解①
「JISで農薬対応と書いてあれば安心」
→ JISは性能を比べるための基準で、 すべての農薬を保証するものではありません。
誤解②
「JIS適合=ネオニコも除去できる」
→ 大切なポイントとして、 ネオニコチノイド系農薬はJISの試験項目には含まれていません。
これは、
- JISが作られた当時、今ほど注目されていなかった
- 種類が多く、代表を1つに決めにくい
といった理由があります。
そのため、「JISに適合している=ネオニコチノイドも必ず除去できる」とは言い切れません。
※ネオニコチノイドは「活性炭(またはそれを使った濾過器)で ある程度除去できる可能性がある」という研究結果があります。
詳しくはコチラ>>>水道水に”農薬”の時代~ネオニコチノイドは家の蛇口まで届くのか?
まとめ
私たちは、 「JISに書いてあるから安心」 「書いていないから危険」 という 白か黒かの考え方では水の問題は解決できない と考えています。
ReFINEでは、
JISで定められたCAT試験をきちんと行うこと
それに加えて、実際に気にされる方が増えている成分についても データや根拠をもとに検証する姿勢
を大切にしています。
すべての物質を一律に語るのではなく、
「何が、どこで、どのように使われているのか」を一つひとつ丁寧に見ていくこと。
それが、 毎日使う水と向き合ううえで本当に安心につながると考えています。
ご安心下さい。電話や訪問販売は一切行っておりません。
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